校長室より

  赤の他人化
   校長 八木 雅之

 聞き慣れないことばですが,これは「千葉教育」という県教委発行の教員向け機関紙に載っていたものです。執筆された方は千葉大学の明石教授です。
 明石先生は教育社会学を専門とし,子どもの生活を調査・分析して多くの提言をなされていますが,標題のことに関して次のように述べられております。
 「家庭でも同様のこと(筆者注「赤の他人化」を指す)が起き始めている。帰宅後,『あのね。今日学校でこんなことがあったよ』という声が聞かれなくなったという。親子がどんな場面で話し合うかを調査したところ,最も多いのが『食事』で約半数,次はかなり減って『学校から帰ってすぐ』が20%程度,『話さない』も15%に達し,『ねる前』や『おふろ』を上回る。注目したいのは『話さない』という回答が学年を問わずコンスタンスにあることだ。子どもにとって,家庭は身内であるのに…」
 年末に報告した通知表のアンケート調査にも「せんだんの子ら」が,語らいの素材になったとの意見が寄せられました。家庭はふれあいの原点,そんな点からも役立っていれば幸いです。